東北綜合器材本社屋
及び物流センター

仙台市宮城野区に立つ建築部材を扱うオフィス兼物流倉庫である。

敷地は海岸線から5kmほど内陸に入った国道45号線に近い場所にあり、震災によって全壊したオフィス棟と物流倉庫を一棟にまとめる建て替え計画であった。

物流の主要機能である倉庫は2種の立体機械式倉庫を含め、在庫をストックする3カ所のエリアに分類され、厳格な物流概念に基づき倉庫全体の配置計画をスタディした。

立体機械式倉庫を納める西面を最高軒高とし、そこから建物全体を覆うように掛けた勾配屋根が、そのままインテリアとなって現われ、住宅スケールの応接室やラウンジ、大きな吹き抜けを持つオフィスや食堂など、様々な天井高のスペースが生まれた。法的な区画以外に間仕切り壁はなく、執務者同士の視覚的コミュニケーションが生まれるように流動的な一体空間とし、室内全体の透明性を高めている。

東日本大震災以降、全国的にも光・温熱環境への意識が変化する中、身近な自然エネルギーを活かすため、地下水位の高いこの場所で、地中熱の採熱による輻射冷暖房を採用した。
外壁は断熱材を裏打ちした鋼板サンドイッチパネル、屋根は二重折板を使用することにより断熱性能を高めて輻射冷暖房の効率をより良くし、頂部にハイサイドライトを設けて自然換気をとり、倉庫を含めた室内全体を重力換気による 空気の対流をはかっている。

内部機能が反映されたモノクロームでシンプルな形態とは対照的に、内部は快適で豊かな執務空間となることを目指している

 


Design
 2011.08-2012.07
Construction period
 2012.08-
2013.03
 敷地面積:2,288.69u
 建築面積:1,353.16u
 構造  :鉄骨造
 階数  :地上2階
 写真  :Shigeo Ogawa